
高校受験に関わる用語
公立高校とは

公立高校(こうりつこうこう)は、地方公共団体(主に都道府県)が設置・運営する高等学校のことを指します。
授業料は比較的安く、地域に密着した教育が行われる場合が多いです。公立高校には多様な学科やカリキュラムが存在し、普通科、商業科、工業科、農業科などさまざまな選択肢があります。
公立高校の最大の特徴は、教育内容が一定の基準に基づいているため、地域や学校による教育格差が比較的少ないとされています。また、私立高校と比較して授業料が安いため、多くの家庭にとって手が届きやすい教育機関でもあります。
岩手県の入学試験は、通常、中学校の最終学年の3月上旬に実施され、多くの場合、筆記試験5教科(国社数理英)と面接、そして一部の学科では実技試験が含まれることもあります。公立高校で提供される教育は、基本的に文部科学省のカリキュラムガイドラインに沿っています。
学区とは
学区(がっく)とは、受験生がどの高校を志願できるかを決める「地域の区分」を指します。
岩手県の公立高校入試では、居住地に応じて受験できる高校があらかじめ定められています。
岩手県内は、次のように9つの学区に分けられています。
第1学区:盛岡地区
第2学区:花北地区(花巻・北上)
第3学区:両磐地区(一関・平泉)
第4学区:気仙地区(大船渡・陸前高田)
第5学区:釜石地区
第6学区:宮古地区
第7学区:久慈地区
第8学区:二戸地区
第9学区:遠野地区
原則として、受験生は自分の居住する学区内の高校を志願します。
ただし、一部の高校では「学区外枠(他学区からの受験)」が認められており、募集要項でその割合(例:5%・10%など)が明示されます。
この制度は、地域ごとの教育機会を均等に保ちながら、地元志向と多様な進路選択の両立を目的としています。
私立高校とは

私立高校(しりつこうこう)とは、個人や教育法人、宗教団体などが設立・運営する高等学校のことを指します。
私立高校は多様な教育方針や特色があり、その多くは独自のカリキュラムや教育プログラムを設定しています。
例えば、進学校、スポーツ特化型、国際教育、芸術・音楽など、多様な目的や特色に応じた学校が存在します。
授業料は一般に公立高校よりも高く、入学金や施設費、教材費なども別途必要な場合が多いです。しかし、それに見合った設備やプログラム、質の高い教育が提供されることが多いとされています。
入学試験は、多くの場合、公立高校よりも少し早い時期に行われ、岩手県内の多くの私立高校一般入試は1月上旬から2月上旬にかけて行われます。
筆記試験だけでなく面接、作文、小論文、推薦入試、AO入試(アドミッション・オフィス方式)など、多様な方法で学生を選抜します。
特定の私立高校には、大学との提携プログラムが存在することもあり、そのような場合は高校卒業後にスムーズに提携先の大学に進学する道もあります。
私立高校はその多様性から、学生や親が求める教育目標により密接に合った選択が可能であるとされています。ただし、その分、学校選びにはより多くのリサーチと検討が必要とされます。
学科(学系)とは

学科(がっか)/学系(がっけい)とは、各校が設ける教育分野の区分で、普通・理数、文理・芸術・外国語・スポーツ科学、流通ビジネス、会計ビジネス、動物科学、植物科学、機械、電気などがあります。
「学科(がっか)」または「学系(がっけい)」は、令和7年度以降の岩手県立高校の場合、普通・理数、普通科(文理・芸術・外国語・スポーツ科学など)、流通ビジネス科、会計ビジネス科、動物科学科、植物科学科、、機械科、電気科など各高校によって異なります。
全日制・定時制・通信制とは
全日制・定時制・通信制とは、高校の在学形態の区分で、学ぶ時間帯や学び方の違いを示します。
高校の学習形態は、「全日制」「定時制」「通信制」の3つに分かれています。
それぞれの制度には、学び方や生活スタイルに応じた特徴があります。
全日制(ぜんにちせい)
主に昼間に授業が行われる制度で、1日5〜6時間の授業を週5日受けるのが一般的です。
授業時間が多く、行事や部活動など学校生活も充実しています。
卒業までの期間は通常3年間です。
定時制(ていじせい)
夕方以降や夜間に授業が行われ、働きながら学ぶ生徒も多い制度です。
履修単位によって卒業までの年数が変わる場合もあり、柔軟な通学スタイルが特徴です。
社会人や再入学者も多く、多様な年齢層が在籍しています。
通信制(つうしんせい)
自宅学習を中心に、レポート提出やスクーリング(登校日)を通じて学ぶ制度です。
時間や場所にとらわれず、自分のペースで学習を進められるのが特徴です。
全国どこからでも入学可能で、不登校経験者や社会人にも適しています。
公立高校一般入学者選抜試験とは

公立高校一般入学者選抜試験(こうりつこうこう いっぱんにゅうがくしゃ せんばつしけん)とは、公立高校に入学を希望する生徒を選抜するための標準的な試験方法の一つです。
この一般入学者選抜試験は、各都道府県や市町村が独自に設定・実施しています。試験は主に筆記試験で行われ、英語、数学、国語、理科、社会の基礎学力を問う問題が出されます。
一般入学者選抜試験は、通常、中学3年生が受験するもので、岩手県の試験日は例年3月上旬に設定されています。合格者はその年の春(4月)に高校に入学します。
一部の公立高校では、面接や小論文、実技試験(例えば、体育科や美術などで実施されることがある)が加わる場合もあります。ただし、これは学校や学科によって異なるため、具体的な内容は各高校の募集要項で確認する必要があります。
また、一般入学者選抜試験以外にも、推薦入試があります。これらは通常、一般入学者選抜試験よりも少し早い時期に行われることが多いです。岩手県の場合は推薦入試が1月下旬に実施予定となっています。また岩手県の場合、令和7年度入試より推薦入試ではなく、特色入学者選抜に変更予定。
一般入学者選抜試験は、公立高校において最も一般的な入試方法であり、多くの生徒がこの試験を通じて高校に進学します。
学力検査とは(岩手県版)
学力検査とは、高校入試において受験生の基礎学力を測るために行われる筆記試験のことを指します。
岩手県の公立高校一般入学者選抜では、国語・社会・数学・理科・英語の5教科で実施されます。
- 各教科は50点満点、5教科で合計250点、これを2倍して500点満点に換算します。
- 試験時間は各教科50分(英語のみリスニングを含む)。
- 出題範囲は文部科学省の学習指導要領に基づき、中学校3年間の内容から出題されます。
令和7年度以降も原則この形式を維持していますが、
問題傾向として「思考力・判断力・表現力」を重視する出題が増えており、単なる暗記では対応しにくくなっています。
また、一部の高校(理数科など)では学校独自検査により追加の問題や加点評価を行うこともあります。
学年制と単位制とは

学年制と単位制とは、進級・卒業の基準を「学年」または「修得単位」で管理する制度区分です。
学年制(がくねんせい)
1年生、2年生、3年生と学年ごとに学習内容が決められている制度です。
基本的に全員が同じ授業を受け、進級・卒業の判断も学年単位で行われます。
欠点科目がある場合は原級留置(留年)となることもあります。
多くの全日制高校がこの制度を採用しています。
単位制(たんいせい)
履修する教科や科目を自分で選択して学ぶ制度です。
学年ではなく、修得した「単位」の合計で卒業が認められます。
在籍期間3年以上かつ74単位以上の修得が卒業要件(岩手県の場合)です。
学習ペースを調整しやすく、進路や興味に合わせた柔軟な学びが可能です。
定時制・通信制高校で多く導入されています。
岩手県一般入学者選抜における学力検査:調査書の比率とは

学力検査点と調査書点の配点比率のことを指し、各校が年度ごとに定めます。
令和7年度以降から実施される岩手県立高等学校入学者選抜における一般入学者選抜での学力検査(500点):調査書の比率(500点)の種類は全部で5種類あり、各高校がそれぞれどの比率にするのかを1つ選抜します。
その5種類は、学力検査:調査書の順で「7:3」「6:4」「5:5」「4:6」「3:7」となっており、各高校の判断で比率を変更されます。
評定(ひょうてい)・内申書(ないしんしょ)とは
評定・内申書とは、中学校での学習・活動の成果を5段階評定等で記録し、高校入試で用いる公式資料です。
評定・内申書とは
岩手県の公立高校一般入学者選抜では、学力検査点・調査書点・面接点などを総合して合否を判定します。
その中で、「調査書(内申書)」は中学校での3年間の学習や活動の成果を示す重要な資料です。
🏫 調査書(内申書)とは
中学校が作成する公式文書で、以下の内容が記載されます。
- 各教科の評定(5段階)
- 出欠の記録
- 特別活動・行動のようす
- 総合的な学習の時間・所見
岩手県では県教育委員会が指定する統一様式により作成され、出願時に高校へ提出されます。
📊 評定とは
各教科の学習到達度を示す数値で、1〜5までの5段階評価です。
主に中学3年次の9教科(国・社・数・理・英・音・美・保体・技家)の評定を用いて「調査書点」を算出します。
9教科(国・社・数・理・英・音・美・保体・技家)の評定を所定の換算方法(係数付与など)で調査書点に変換します(詳細は各年度の「入学者選抜要項」を参照)。
⚖️ 調査書点(内申点)の比率
岩手県の高校入試では、「学力検査点:調査書点」=7:3 、6:4、5:5、または 4:6、3:7。
学校や学科ごとに定められた比率で合否判定が行われます。
比率は毎年、岩手県教育委員会の「入学者選抜要項」で公表されます。
特色入学者選抜とは

「特色入学者選抜」(特色入試)は、岩手県において一部の高校で採用されている入学試験の一つで、令和7年度入試より実施されます。全ての岩手県立高校で実施されるわけではありません。
名称と出願条件
- 令和6年度入試までは「推薦入試」と呼ばれていましたが、令和7年度以降は「特色入学者選抜」(特色入試)という名称に変更。
- 中学校長の推薦は不要で、部活動等の実績(大会の成績など)も出願の要件とはされていません。
選抜基準
- 受検生の日常的な学習や活動で身につけた多様な資質・能力が評価されます。
募集定員
- 普通科及び普通・理数科は定員の10%以内。
- 体育、芸術に関する学系は50%以内。
- 上記以外の学科は定員の20%以内。
検査内容
- 調査書、志願理由書が必要。
- 検査(面接、小論文、作文、実技、口頭試問、プレゼンテーション等)の中から1~2項目が選ばれます。
その他
- 志願者が多い場合、提出書類による一次選考が実施されることがあります。
- 特色入試は一般入試の第1志望の高校・学科等にのみ出願可。特色入試のみの出願は不可。
- 特色入試にも出願した場合、2日間の検査(一般入試、特色入試)をすべて受検。
準備方法
- 日常的に学校での学習や学校外の活動に真剣に取り組むこと。
- 取り組んだ学習や活動で何を学び、どのように高校生活でそれを活かすかをしっかりと表現できるように準備することが推奨されています。
この特色入試は、従来の学力テストや部活動での実績よりも、各生徒が持つ独自の資質や能力を評価する点が特徴とされています。これによって、多様なバックグラウンドを持つ生徒がその能力を発揮し、高校での新たなスタートを切るチャンスを得られるとされています。
合否判定とは
合否判定とは、学力検査・調査書・面接や学校独自検査等を所定の配点で総合し、合格者を決定する手続きです。
岩手県の高校入試では、学力検査・調査書(内申書)・面接・学校独自検査などを総合的に評価し、合否が判定されます。
判定方法は「一般入学者選抜」「特色入学者選抜」「連携型選抜」などの方式によって異なります。
🔹 一般入学者選抜の場合
一般選抜では、
- 学力検査(5教科)
- 調査書(内申点)
- 面接または学校独自検査
を総合して評価します。
多くの学校では「学力検査点:調査書点=7:3 または 6:4」の割合が用いられます。
この比率は毎年、岩手県教育委員会の「入学者選抜要項」で公表されます。
合否は、
① 学力検査の得点、
② 調査書点(評定を換算した点数)、
③ 面接・独自検査の結果
を合算した総合点順で判定されます。
🔹 特色入学者選抜の場合
特色入試では、
- 調査書点や面接の評価を重視する傾向があります。
- 一部の学校では作文や実技検査の結果も加味されます。
目的は、一般選抜では測りにくい意欲・適性・創造性などを評価することです。
🔹 追検査・同点時の扱い
合否判定で同点の場合は、
① 調査書点 ② 面接評価 ③ 出欠状況 などの順に比較して最終決定されます
学力検査を欠席した場合、追検査日程を設定している学校もあります。
学校独自検査を実施する学校では、その評価結果も総合点(または所定の配点枠)に組み入れて判定します。
学校独自検査とは

令和7年度から実施される岩手県立高等学校入学者選抜における学校独自検査とは、一般入学者選抜のうち、各高校ごとの裁量で実施の有無が決められています。すべての高校で実施されるわけではありません。
学校独自検査の種類は、面接、小論文、作文、実技などがあります。
実施有無・検査種別・配点は各校の募集要項で毎年度公表され、一般選抜の一部として取り扱われます。
アドミッションポリシーとは(特色入学者選抜に関係)

アドミッションポリシー(Admission Policy)とは、入学者受け入れに関する方針とも呼ばれ、高校や大学、専門学校、またはその他の教育機関が新たに生徒や学生を受け入れる際に採用する方針や基準をまとめたものです。
このポリシーは、その学校がどのような人物を求めているのか、何を重視して選考するのかを明示するために用います。
一般的に、アドミッションポリシーには以下のような内容が含まれることが多いです。
- 目標とする学生像:その学校が理想とする学生の特性や能力、資質を説明します。
- 選考方法:入学試験の形式(筆記試験、面接、ポートフォリオなど)や、どのような要素を評価するかが述べられます。
- 入学試験の科目:何がテストされるのか、それにどれだけの重みが置かれるのか。
- その他:特別な入試ルートや推薦入学、AO入試(総合的な資質を見る入試)など、独自の選考方法があればその説明。
アドミッションポリシーは、受験生やその親、また教育関係者にとって、その学校が何を大事にしているのかを理解する上で非常に有用な情報です。また、教育機関自体も、アドミッションポリシーを明確にすることで、教育目標や選考基準に一貫性を持たせることができます。
受験生はこの情報を基に、自分がその学校に適しているかどうかを判断したり、どのように準備をすればよいかを考えることができます。
例として令和8年度の盛岡第一高等学校のアドミッションポリシーは以下となります。
本校への入学を強く希望し、下記の資質・能力等を有する意欲溢れる生徒の入学を望みます。
・中学校までに学習する各教科の基礎的・基本的な知識・技能
・中学校までの学習等で身につけた知識・技能を様々な場面で活用する力
・知的好奇心や学ぶ意欲、新しいことへのチャレンジ精神
・時間の厳守や挨拶の励行等の基本的な生活習慣
年度とは

年度(ねんど)とは、一定の期間を指して用いられる時間の単位です。一般的には、特定の活動や業績を評価、管理するための期間を示します。多くの場合、年度は12ヶ月間であり、日本においては通常、4月1日から翌年の3月31日までを指します。この期間は、公共機関や多くの企業、学校で用いられる最も一般的な年度です。
年度は、財務報告、予算計画、業績評価、税金の申告・納付など、多くの公式な手続きや活動において基準とされます。例えば、国や地方自治体は、予算を年度ごとに計画・実施します。企業も、年度末に財務諸表を作成し、その年度の業績を評価することが一般的です。
ただし、「年度」という言葉は文脈によっては異なる意味で使われることもあります。たとえば、学術研究のプロジェクトや特定の業界、国際機関などでは、独自の年度を設定することがあります。
総じて、年度はその組織や文脈において、特定の活動や計画、評価が行われる基本的な時間枠として機能します。
●年度入学者選抜入試とは

「年度入学者選抜入試」とは、
その年度(通常、4月1日から翌年3月31日まで)に入学する生徒を選抜する入試のことを指します。
【例】
- 令和8年度岩手県立高校入学者選抜学力検査
令和8年4月1日以降に公立高校へ入学する生徒を選抜する入試で、
令和7年度(令和8年3月)に実施されます。 - 令和7年度岩手県立高校入学者選抜学力検査
令和7年4月1日以降に公立高校へ入学する生徒を選抜する入試で、
令和6年度(令和7年3月)に実施されます。
倍率とは

倍率(ばいりつ)とは、一般にはある数値が別の数値の何倍であるかを示す指標です。
入学試験では、倍率は受験生の数を募集人数で割った値であり、その学校や学科、コースの競争率を示す数値としてよく用いられます。
例えば、ある学校の募集人数が100人で、受験生が200人だった場合、倍率は200人 ÷ 100人 = 2倍となります。
これは、1つの席に対して2人の受験生が競争するという意味になり、倍率が高いほど競争が激しいとされます。
倍率は以下のような点で重要です。
- 受験生にとって:倍率が高いとその学校・学科への入学が厳しく、しっかりとした準備と対策が必要とされます。
- 学校にとって:倍率が高い場合、その学校や学科が人気であると一般に解釈され、ブランド力があるとされます。
ただし、倍率だけで学校の質や適性を判断するのは危険であり、他にも多くの要因(教育内容、施設、指導体制など)を考慮する必要があります。また、倍率は年度や時期によって変動することが多いため、一つの指標として使う場合もその限界を理解することが重要です。
調査書点(内申点)とは

調査書点(内申点(ないしんてん))とは、中学校において、中学1年生から中学3年生までの各教科における5段階評価を、ある一定のルールに従い計算することで算出される点数で、令和7年度以降の岩手県立高校入学者選抜試験における調査書点の配点は、1000点満点中500点。通常の調査書点の計算方法では中1から中3までオール5の場合660点となり、それを500点に圧縮して計算されます。傾斜配点を除く。
令和7年度入試より660点を500点に圧縮されるため、より一層5段階評価の重みが増すかたちとなります。
専願(せんがん)または単願(たんがん)とは

専願(せんがん)または単願(たんがん)とは、受験において特定の学校や学科にだけ出願することを指します。
専願・単願を選択する理由は多岐にわたり、以下のようなケースが考えられます。
- 強く志望する学校がある場合:その学校に絞って準備をすることで、合格確率を高めたいと考える場合。
- 特定の条件下での受験:特別な推薦入試などで受験する場合、その学校に専願で出願するケースがある。
- 資源の集中:複数の学校に出願する場合、それぞれの学校の選考内容(試験科目、面接、小論文等)に対する準備が必要ですが、専願・単願であればその手間が省けます。
専願・単願のリスクとしては、その学校に不合格になった場合のセーフティーネットがないことです。そのため、専願・単願で出願する際には、そのリスクをしっかりと考慮し、準備をしておく必要があります。
単願推薦とは(岩手県版)
単願推薦(たんがんすいせん)とは、私立高校の入試方式の一つで、
「合格したら必ずその学校に入学する」という約束を前提に出願する推薦入試のことです。
岩手県内の多くの私立高校で採用されており、
公立高校との併願は原則できません(=専願扱い)。
単願推薦の特徴:
- 推薦基準:内申点、出欠状況、面接態度などを総合的に評価
- 試験内容:面接または作文中心。学力試験を課さない場合もある
- 合格後辞退:原則として不可(学校によっては辞退時に違約金が発生する場合あり)
メリット:
- 早期に進路が決定する(1月上旬~中旬に実施)
- 面接中心で、筆記試験が苦手な生徒も挑戦しやすい
デメリット:
- 合格後に他校を受験できない
- 合格辞退は信用問題につながる
単願推薦は、その高校を第一志望として強く希望する生徒のための制度です。
出願前に、保護者・担任としっかり相談してから決定することが重要です。
併願(へいがん)または多願(たがん)とは

併願(へいがん)または多願(たがん)とは、受験において複数の学校や学科に同時に出願することを指します。
併願・多願の主な特徴として以下のような点があります。
- リスクヘッジ:一つの学校に不合格だった場合でも、他の学校で合格する可能性があるため、リスクを分散できます。
- 選択肢の拡大:複数の学校から合格通知をもらえた場合、最終的にどの学校に進学するかを選択可能。
- 資源の分散:複数の学校に出願するので、それぞれの試験内容(筆記試験、面接、小論文等)に対する準備が必要となります。
併願・多願を行う際の注意点:
- 出願費用:複数の学校に出願するため、それだけ多くの出願費用が必要です。岩手県の私立高校では、一定の金額で複数種の受験でも、受験料の追加がない私立高校があります。
- 準備の手間:各学校の試験は異なる内容で行われる場合が多いため、それぞれに対する対策が求められます。
- 試験日程:試験の日程が重複する可能性があり、その場合はどちらか一つを選ばなければならないこともあります。
併願・多願は専願・単願(一つの学校や学科にだけ出願すること)とは対照的です。専願・単願はリスクが高い反面、目標に集中できる利点があります。どちらの方法が良いかは、受験生自身の目標、能力、考え方によって変わりますので、慎重に選ぶ必要があります。
偏差値とは

偏差値(へんさち)は、自分のテストの点数が、みんなの中でどれくらい高いか、または低いかを数値で見ることができるものです。
偏差値が50だったら、それはまさに真ん中。つまり、平均的な点数です。偏差値が60だったら、みんなの中で結構いい点数を取ったということ。逆に、偏差値が40だったら、ちょっと点数が低かったということになります。
例えば、クラスのみんなで100点満点のテストをした場合
- もし偏差値が70なら、みんなよりもすごくいい点数を取れた
- 偏差値が50なら、みんなと同じくらい。
- 偏差値が30なら、ちょっと頑張りが必要。
この偏差値を使って、どの科目が得意で、どの科目が苦手かを知ることができます。
しかし、偏差値は「今の自分」を数値で示しているだけで、これからどれだけ頑張れるかは自分次第です。
試験当日の体調やメンタルでも変動します。
ですので、偏差値が低くても落ち込むということではなく、逆に、偏差値が高くても、それがすべてではないので、常日頃からベストを尽くす努力をして、本番で力を発揮できるように、訓練をしておく必要があります。
模試とは
模試(もし)とは、「模擬試験(もぎしけん)」の略で、
本番の入試に近い形式・範囲で行われる練習用の試験を指します。
多くの受験生が志望校判定の参考として利用しています。
模試の目的は、次の3点です。
1️⃣ 現在の学力を数値(偏差値)で把握する
2️⃣ 志望校との距離(合格可能性)を確認する
3️⃣ 入試本番の形式や時間配分に慣れる
模試の結果には、偏差値・志望校判定・教科別順位・課題分析などが記載され、
進路指導や学習計画の見直しに活用されます。
特に受験人数が多い模試は、県立高校入試の傾向に沿った出題内容で、
「合格判定の精度が高い」とされています。
入学定員とは
入学定員(にゅうがくていいん)とは、高校が1学年あたりに受け入れることを予定している生徒数のことを指します。
岩手県の公立高校では、この定員数が学科ごと・コースごとに岩手県教育委員会によって毎年度公表されます。
例:
- 盛岡第一高校 普通・理数科:280人
- 南昌みらい高校普通科(文理学系):160人
定員は、地域の人口や中学校卒業者数、進学希望動向をもとに毎年見直されます。
この「定員」が基準となり、募集人員・倍率・実質定員などの指標が決まります。
実質定員とは

実質定員(じっしつていいん)とは、各高校の科などにおいて、事実上受け入れることができる最大人数を指す用語です。この数字は、公表されている「定員」よりも実際には少ない場合が多いです。
たとえば、ある高校の学科が「定員100名」と発表している場合でも、推薦で10名合格した場合、一般入試における実質定員は90名で、この90名が「実質定員」となります。
実質定員を知ることで、その学校やコースにおける倍率率をより正確に把握することができる場合もあります。
実質定員は以下のような点で重要です:
- 競争率の判断:公表されている定員よりも実質定員の方が少ない場合、競争率は上がります。
- 進学指導:特に受験に関する指導を行う際には、実質定員も考慮した方がより現実的なアドバイスができる場合があります。
定員割れとは(岩手県版)
定員割れ(ていいんわれ)とは、募集定員に対して出願者数がそれを下回る状態を指します。
たとえば、募集定員100人の高校に志願者が80人しかいなかった場合、定員割れが発生したといいます。
岩手県では、地域や学科によって人口減少や進学動向の影響を受け、
一部の高校・学科で定員割れが起きるケースがあります。
定員割れが発生した場合でも、全員が自動的に合格するわけではなく、
学力検査や面接などの結果をもとに、基準に満たない場合は不合格となることもあります。
また、定員割れが続く高校では、
- 学科の統合・再編
- 募集停止
- 他学区からの受験枠拡大(学区外枠)
といった対応が行われることがあります。
